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2014年12月30日

12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦

~レイクスカルチャーへの道標~
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
福島ファイヤーボンズは素晴らしいチームでした。素晴らしい点は沢山ありますが、一番凄いと思ったのはインサイドアウトのバランスが非常に良かった点です。藤田ヘッドコーチはクレインサンダーズの時はディフェンスの手堅いチームを構築されましたが、ファイヤーボンズでは今ある素材を最大限生かすにはどうすれば良いか、それにかなり腐心されている様に伺えました。福島の最大の武器は若さ。難しい事を要求するよりも非常にシンプルな事だけを要求されている様に思いました。小さい日本人選手が平気でペネトレイトを仕掛けてきてレイクスディフェンスを収縮させ、キックアウトでガラ空きになったフリーの選手が外角のシュートを決める。これも非常に分かりやすい指示の一貫でしょう。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
ヘッドコーチにとって一番難しいのは自分の理想と今ある限られたメンバーとの折り合い。これが全てだと言っても過言ではないかもしれません。シーズン前に遠山ヘッドが「ヒロがどうしてもヘッドコーチをやりたがっている。」と話されていましたが、藤田コーチは英語も話す事が出来ますし、そういった意味ではこの方はとてもヘッドコーチ職に向いていると感じました。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
しかしレイクスはボンズと同じバスケットをしても良いとは限らないし、僕はするべきでは無かったと思います。この日のレイクスは目先の一勝よりも未来の一敗を選んだと僕は感じました。とにかくこの日のレイクスは一生懸命インサイド攻撃を仕掛けました。それを分かっていてインサイドを固めるボンズに対しても安易な外角シュートを放ちませんでした。少しの点差はありましたが、バスケットの内容としては拮抗した時間が過ぎていきます。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
第四クォーターに狩俣選手が次々とスリーポイントを決めてついに逆転。しかし残り約三分の所で遥太選手のパスをハイポストで受けたウッド選手がペネトレイトを仕掛けて、ローポストのジェフに合わせた見事なバスケットカウントが飛び出します。この瞬間僕は「これならいける!。」と思いました。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
しかし残り約1分50秒、4点差で負けてはいたものの、全く慌てる時間帯では無いところでウッド選手が不用意な外角シュートを放ちそれが無情にも外れます。この時点で勝負ありと感じました。こういうシチュエーションで一番心掛けなければならないのは最低でもFTを貰う事。この日随所で我慢強いプレーをしてきたウッド選手が最後の最後に我慢仕切る事が出来ませんでした。しかし秋田戦で早い時間帯に不用意な外角シュートを連発してターンオーバーの山を築いた時からすると、確実にウッド選手の意識も向上していると思われます。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
レイクスのディフェンスにはまだまだ時間が掛かります。ガード陣で責任を持って相手マッチアップを止められるのは遥太選手と加納選手だけですし、キックアウトを簡単に決められるという事は即ちディフェンスのヘルプローテーションが確立されていない事を意味しています。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
滋賀にとっても福島にとっても非常に意味のある試合だったと思います。特に滋賀はこの日の福島から学ぶべき事が多かったのではないでしょうか。サラリーキャップでは滋賀の方が高い選手が揃っている。しかし正しいバスケットを多く含んでいたら、そんな対戦相手でも福島は勝つ事が出来る。その要因を二つ紹介したいと思います。

①バックコートからフロントコートへの移動が早い。

つまらないドリブルを多用するのではなく、縦パス一本で素早く移動します。これを普段徹底して練習しているとチーム全体にハリバックの共通認識が植え付けられます。

フロントコートへの移動に無駄がないという事は、つまり24秒間を最大限攻撃に使う事が出来ます。福島ファイヤーボンスという新規参入チームの宿命である、確固たるシューターが存在していないチームにとってはこれは言わば生命線だと思うのです。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
②リバウンド

この二日間の滋賀と福島のリバウンドの数は、滋賀が合わせて58に対して福島は86。数字だけみると、滋賀はよくこれで1勝1敗で済んだなというのが正直なところなのかもしれません。これをオフェンスリバウンドに絞ると、滋賀が15に対して福島は実に41。先に述べた必須項目と関連しますが、福島としてはとにかくポゼッションを増やすことが最重要課題だからだと思います。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
先日中村和雄氏が僕に、『今の滋賀はダメ。弱いチームには勝てるかもしれないけれど、強いチームには全部負けるよ。』と語られましたが、僕はもう一つの側面を感じています。先日滋賀が琉球に勝ちましたが、ある意味強いチームとやるのは気が楽なんです。何故なら強いチームとの対戦は当たって砕けろの精神になれる。そうなるとしめたもので、普段よりも強いエナジーを出す事が出来ます。

しかしそういう対戦相手とのカードはそうそうあるものではありません。琉球ゴールデンキングスが凄いのは、どんな対戦相手でも自分たちのメンタリティーもバスケットの内容も変わらないところなんです。この二日間所沢で行われた埼玉 対 琉球戦をbjtvで見て頂ければその事が一目瞭然です。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
遠山ヘッドはウッドや加納選手に対しては厳しく叱ります。ウッド選手にとっては大変だろうし納得のいかない部分も沢山あると思います。もしかしたら「コウトはキングスの時は俺のプレーにそんなに厳しくなかったじゃないか!。」と思っているかもしれません。

しかし遠山ヘッドの目指しているものは、レイクスターズにキングスを超えるバスケットカルチャーを築く事なのです。だから当然要求される事も今まで以上に厳しくなってしまいます。コーチが見抜いているもの。それは7シーズンかけてレイクスが一度も有明にたどり着けなかったその理由です。それにウッド選手と加納選手が叱られるのは、この二人の選手が監督に叱られるレベルの選手だからなんです。

もうお金で良い選手を獲得さえすればチームが強くなるという時代はとっくの昔に終わっています。しかし能力の高い選手が地味なプレー、身体を張ったプレー、泥臭いプレーを厭わない様になったらそれはもう最強のチームにはなれますが。レイクスの12月の平均失点は81点。ここからマイナス10点は達成しなければなりません。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
四方山話

今回沢山の福島ファイヤーボンズブースターの皆さんが滋賀にお越し下さりました。僕が言うのも変な話ですが、厚く御礼申し上げます。ボンズの勝利が確定的になった瞬間に涙を流しておられるブースターさんも見受けられました。歳のせいか、そのお姿からもらい泣きをしてしまいました。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
僕は今回の対戦を非常に楽しみにしていたのです。お目当ては翁長選手。実は翁長選手が兵庫ストークス在籍の時代に、たまたま見に行った試合の後にささやかな親切を受けたのです。選手の皆さんにとっては何千の一場面で、勿論記憶には無いでしょう。しかしブースターにとってはたった1回の大切な宝物の思い出です。だから翁長選手が福島ファイヤーボンズに入団された事を心から喜びました。

僕が日本のバスケットが大好きなのは、こういう選手が数多く在籍してくれている事も大きな一因です。この日の翁長選手には残念ながら出番はありませんでしたが、またいつか福島のホームゲームで翁長選手の勇姿を見に行きたいと思います。
12月28日(日)滋賀レイクスターズ 対 福島ファイヤーボンズ 戦
WAKE誕生の滋賀ダイハツ Presents
12月28日(日) ●滋賀レイクスターズ 72 − 86 福島ファイヤーボンズ○

1Q 22−14
2Q 16−18
3Q 21−21
4Q 13−33


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Posted by せん(閃) at 09:16│Comments(4)レイクス
この記事へのコメント
いつもblog楽しみにしてます。bjフィクションも楽しみにしてます。
Posted by 万華鏡 at 2014年12月30日 11:38
万華鏡さん、いつもありがとうございます。

マジですか?、じゃあ徹夜で頑張ります。
Posted by せん(閃)せん(閃) at 2014年12月31日 05:46
あけましておめでとうございます^ ^

前節のキングスー滋賀戦で
滋賀の強さ、遠山HCの強さを
感じました。
お互いにトリム、ホルムのインサイドを欠くなかで滋賀の方がいいバスケをしていたような気がします。

次回までに両チームがどのくらい
ステップアップしているのか非常に楽しみです。
Posted by わさびーふ at 2015年01月02日 09:52
わさびーふさん

あけましておめでとうございます。この日のレイクスはパスをシェアしていましたね。ただディフェンスの精度は無駄なファールがまだまだ多過ぎます。

中村和雄氏は「レイクスには絶対的にスピードが足りない。」と話してくれました。ただ、今のレイクスにスピードを求めると必然的にターンオーバーが増えます。やらなければならない事が多過ぎます。
Posted by せん(閃)せん(閃) at 2015年01月04日 07:38
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