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2015年12月23日

12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦

【炎スピリット】
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
よくハンナリーズとの対戦では、『(チーム名)オフェンスが、ハンナリーズディフェンスをどう攻略するか』という見出しが踊りますが、実はこれ、ハンナリーズに対して一番やってはいけないバスケットなんです。さすがジョセフクック氏がアシスタントするチーム。今節のハピネッツはその事を非常によく心得た戦いを展開しました。
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
土曜日の試合、ハピネッツは我慢に我慢を重ねたディフェンスに重点を置きます。オフェンスも立ち上がりから不用意な外角シュートは避け、モリソン選手のインサイドを起点とした攻撃を仕掛けます。今回の対戦の一番の注目はケビン選手とモリソン選手という重量級インサイド対決でしたが、ウェスタン各チームがケビン選手のフィジカルの強さに圧倒されているのに対し、モリソン選手はケビン選手を凌駕するパワーがあり、それはとても不思議な光景でした。

第二クォーターに入るとハピネッツはハンナリーズから幾度となくスティールを奪われます。特に田口選手はこのクォーターだけで手痛いスティールを二つ奪われてしまい、どうもこの節はそれでリズムを崩したのかシュートも不調でした。
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
第三クォーターに入るとハピネッツはゾーンディフェンスに切り替えてきますが、エハンベ選手、直キャプテンのアウトサイドが好調。マンツーに切り替えると今度はケビン選手のピックからのロールシュートで応戦。しかしハピネッツはここでも我慢強くインサイドを攻め、傾きかけようとする主導権をハンナリーズに渡しません。このクォーター、ハンナリーズに致命的なオフェンスリバウンドを与えなかった事。これが大きかったと思います。
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
第四クォーターに入るとハピネッツは得意の日本人アウトサイド攻撃を加えてきます。しかし僕が一番感心したのはレイターナー選手のスクリーンプレーでした。ターナー選手と言えばその跳躍力から派手なプレーについつい目を奪われがちですが、実に丁寧なスクリーンをガチっと仕掛ける選手だと思いました。ターナー選手は派手なプレーよりも基本に忠実なプレーを目指すべきだし、その事を心掛ける事こそがハピネッツ飛躍の鍵になると思いました。

しかしハンナリーズもまたもやケビン選手のピックアンドロール、バスケットカウントで応戦。しかし大塚選手のブラッシングからのシュートが実に速く、そして残り20秒を切った時にロビー選手が渾身のプロックショット。内海選手の劇的な3ポイントが出ますが、最後のファールゲームをターナー選手がきっちりとフリースローを沈め、ハピネッツが鮮やかな逆転勝利を収めました。
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
明けて日曜日、数多くのスティールを奪いながらも数多くのリバウンドを奪われてしまったハンナリーズはスタメンを変えてきました。ポイントガードを直キャプテンから籔内選手、ガードを薦田選手から瀬戸山選手へ。これは籔内選手のコンボガード能力を買っての事だったと思われますが、結果的にはこの布陣が裏目に出てしまいます。全般的にスピード感が欠けてしまい、目が慣れたハピネッツに立て続けにファストブレイクを決められてしまいます。とにかくハピネッツは序盤、アウェイで初戦を獲っている強みをフルに生かし速いパス回しでリングを攻めました。たまらずハンナリーズは直キャプテンと薦田選手をコートに送り出します。

一方ハピネッツはこの日、憲一選手をポイントガードに起用します。その姿はまるで縦の水町、横の高橋。思えば憲一選手はファストブレイク、スモールラインナップの岩手ビッグブルズを離れ、青森ワッツに移籍します。しかしそこでもなかなかチームにマッチしなかった。しかし当時のヘッドコーチがピックプレイを導入しないのに対し、ポマーレ選手と一緒に独自のピックアンドロールを展開し、プレイオフで仙台89ERSをアップセットの末に破ったのは記憶に新しいところです。
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
話を元に戻します。第二クォーター、ハンナリーズは残り6分を残しながら早くもチームファール五つを献上してしまいます。この試合のポイントはここにあったと思います。しかしハピネッツはこの場面でレイターナー選手の気を抜いたプレーで次々とハンナリーズにスティールを奪われ、この絶好の機会にみすみす主導権を逃してしまいます。こういうミスを京都ハンナリーズというチームは絶対に見逃してくれません。正直この時点で「今節は1勝1敗の痛み分けだな」そう思いました。

しかし第三クォーター、ここからも憲一選手のポイントガードが頑張ります。決してスピードは無いけれど、何せシュート力が有る為に何をしてくるのか分からない拭い難い恐怖があった筈です。一方ハンナリーズも第二クォーターの最大のピンチを凌いだため、秋田よりも速いバスケットで主導権を奪いついに逆転に成功します。連勝が欲しい秋田、連敗は許されい京都。大塚選手のスリーが決まれば、瀬戸山選手の渾身のドライブが決まる。気力と気力の勝負は本当に見応えがありました。
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
そして運命の第四クォーター。ここから憲一選手が積極的に攻撃に加わります。アウトサイドにフローター、変幻自在な攻撃で加点します。憲一選手のドリブルは岩手や青森では度々潰される要因でした。しかし秋田では彼のその動きに合わせたチームオフェンスが用意されていました。その姿から、秋田ノーザンハピネッツという組織の確かなる歩みを感じました。
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
秋田出身の憲一選手。仙台を離れ、苦労の連続だったこの選手の復活は、長年bjリーグを見て来た者にとっては胸に込み上げるものを抑えきれませんでした。
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
それにしてもやはり浜口炎というヘッドコーチは改めて凄い人だと思いました。エハンベ選手、ジョンソン選手のシュート確率は両日共に60%超え。並のヘッドコーチならこの二人にボールを集めて得点を取りに行く事でしょう。しかしあくまでも京都ハンナリーズはチームバスケットを標榜する集団。セルフィッシュなプレーを厳に戒めている姿が手に取る様に感じられました。秋田に勝っても有明で勝てなければ意味が無い。その並々ならぬ意気込み感は昨シーズンを遥かに超えるレベルでした。

この節のハンナリーズはディフェンスのカバーやスイッチなどで、いつもより細かなミスがありました。でもそれはラリー、ディビット両選手が抜けた影響レベルでした。新加入の二人の選手を交えてここからまた新しいハンナリーズバスケットを作る事が出来る。恐らくエハンベ、ジョンソン両選手のシュート力を正しく生かしたチームを築いてくるでしょう。
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
今から丁度一年前、増田体育館のアウェイ側に座っていると、ある女性が僕の所に来られました。

『これ…シゲ(田口選手)の実家近くのお菓子なんです、ぜひ食べて下さい。』ただ僕が青いシャツを着ているというだけで、顔も名前も知らないその女性は僕に銘菓を下さりました。

「シゲ選手、本当に素晴らしいですね。」

すると女性は満面の笑みでまるで田口選手を我が子の様に言葉短かに自慢をされました。そのあまりにも素敵な笑顔に魅せられて、その方の名前を尋ねる事も告げる事も忘れてしまいました。

日本は元々“おせっかい文化”でした。お節介を広辞苑で調べると「余計な世話を焼く事。他人の事に不必要に立ち入る事」とあり、つまりあまり良くない事らしいのですが、果たして本当にそうなんでしょうか。

僕が子供の頃は近所にはおせっかいな人ばっかりでした。年頃の娘さんが居れば縁談を持ちかけたり、おかずを沢山作れば必ずお裾分けをしてくれました。大人は自分の子供もよその子も、悪さをすれば等しく叱りました。今、“孤独死”が社会問題になっていますが、そんなものは僕が子供の頃は聞いた事がありませんでした。

この対戦カードを知った時、秋田での温かい思い出が心の中に蘇ったのです。かの女性に改めてお礼を告げる事は叶わないでしょう。だからせめてあの時の感謝の気持ちをこの記事に込めて綴りたいと思いました。
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
ターキッシュエアラインズ bjリーグ 2014-2015シーズンゲーム

12月19日(土) ●京都ハンナリーズ 76 − 80 秋田ノーザンハピネッツ○

1Q 13−13
2Q 20−13
3Q 15−17
4Q 28−37
12月19、20日(土、日)京都ハンナリーズ 対 秋田ノーザンハピネッツ 戦
12月20日(日) ●京都ハンナリーズ 67 − 79 秋田ノーザンハピネッツ○

1Q 10−18
2Q 23−19
3Q 22−17
4Q 12−25


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