~古都ダービーはバンビシャスの2勝4敗で閉幕~
僕の住む鹿深の郷から奈良までは名阪国道がある為に意外と早く着けるのが本当にありがたいのです。そんな中天理インター近くに天理スタミナラーメンの本店が有るのを発見致しました。天理スタミナラーメンは鹿深の郷にも支店があるので僕にとってはお馴染みの味なのですが、本店を目の当たりにして「おおっ!。」と少し感慨に耽ってしまいました(笑)。
橿原公苑までの道程には三輪素麺の街があったり柿の葉寿司のお店があったり、全国区の特産品がちらほらと存在していて、今度はゆっくりとバスケット抜きで歩いてみたいなと思いました。
それにしても本場では天理スタミナラーメンの事を、“天スタ”と呼ぶのですね。初めて知りました。
さて試合の方ですが、まず言及したいのが浜口ヘッドコーチが如何に「バスケットは確率のスポーツ」である事を重要視しているのか、それをまざまざと知らされた事でした。バスケットの世界では1回の攻撃に許されているのは24秒間。この24秒をきっちりと使って広角のモーションオフェンスでバンビシャスディフェンスを振り回してハンナリーズよりも少ないロスターを消耗させる。
この日のハンナリーズはとにかく出てくる選手出てくる選手がみんな中短のプレイタイムの中できっちりと仕事を果たす、そんなプロフェッショナルを感じさせてくれました。
中でも特筆したいのが村上直選手が3本のオフェンスファールを奪った事です。以前直選手が「僕は体重が軽いから大丈夫ですよ。」と語ってくれましたが、それでも一歩間違えればという事を考えると、こういうチームに献身的な選手が居る羨ましさを感じずには居られません。浜口ヘッドコーチは人一倍チーム御飯やボーリング等、とにかくチームケミストリーを育む事を大切にされる監督。そういう確固たる信念がこういう選手を生み出しているのではないだろうかと思いました。
一方のバンビシャスはこの日リバウンドでハンナリーズを上回る事に成功致しました。中でも素晴らしかったのが普通のボックスアウト→キャッチでは到底クリス選手やジョー選手には叶わないので、ティップして味方に繋げました。これは本当に素晴らしかったと思います。
そして諒選手が外しても外しても、屈せずにアウトサイドシュートを放った根性も素晴らしかったと思います。そしてキャプテンとトニー選手のフットワークが軽かったり、とにかくチームが今までにあまり表現できなかったバスケットを展開出来たのがもの凄く大きな収穫になったと思います。達也選手のAチームに対して、拓馬選手のBチームみたいなものをチーム内に作る事が出来れば、これからバンビシャスバスケットの幅が広がり、勝利をグッとたぐり寄せる事が多くなるのではないだろうかと思いました。
ただこの日の試合でバンビシャスが失ったパーソナルファール数はバンビシャスの24個に対してハンナリーズはなんと9個。そしてFTの試投人数はハンナリーズ7人に対してバンビシャスはエイドリアン選手たったの一人。
ファールが少ないのにハンナリーズの方が固い守りだった事。この事をバンビシャスは心技体ではなく、体技心で習得して欲しいと思いました。
この日のMIPにはジャマー選手が選ばれました。金魚スクエアで負傷した後、僕から見るとちょっと長いトンネルに入っていた感のあったジャマー選手ですが、やっと復活してくれたという感じでしょうか。怪我をする前には間違いなく外国人選手を引っ張っていた存在だけにこの復活は本当に嬉しい事だと思いました。
四方山話
第三回古都ダービーは1勝1敗、通算2勝4敗で閉幕致しました。第二回古都ダービーがあまりにものハンナリーズの圧勝だったためか、この第三回開催はとにかくバンビシャスが最初から非常に気合いが入っていた気がしました。
新規参入チームが有明常連チームに対して2つの金星、素晴らしいとか偉いとかそんな言葉以前に、シーズン前の非公開の練習試合を含めて、これは間違いなく京都ハンナリーズという素晴らしい強豪チームが、バンビシャス奈良を育ててくれたのだと僕はそう感じました。
横大路体育館から始まったこのダービー、京都の社長さんの「絶対に勝つ!。」という宣言に対して加藤オーナーは「胸を借りるつもりで。」とそう表現されました。僕はその時に『素晴らしいな。』と心から思ったのです。
勝負なので密月である必要はありませんが、とかく隣県というのはブースター同士が争ってしまうもの。僕はチケットを買ってバスケットを観戦したい。この素晴らしい男たちの情熱と情熱、魂のぶつかり合いを心から堪能したい。逆に言えばそれ以外のものでガッカリしたくないのです。「アイツが先に足を踏んだ。」とか、「いや、そっちが先にヒジを出した。」的な不毛なものは体育館には必要ないと思っています。闘っているのはあくまでも選手同士なのです。僕らはその背中の後押しに徹するべきだと思うし、そして審判を正しく導くなどといった立場でもありません。それはあくまでもリーグが決める事です。人として正しい生き方の一つに「己の領分を守る。」という生き方があります。「領分を守る。」からこそ「正しい了見を養う事。」が出来るとも思っています。
その為の一つとして、京都ハンナリーズが“兄貴”で、バンビシャス奈良が“弟”なのが丁度良いのではないでしょうか。スポーツの世界で兄弟同士が闘う事はよくある事だし、兄弟だからフィールドを降りればその後は同じ釜の飯を食べます。
兄弟で切磋琢磨し合っていくって、僕は素晴らしい事だと思っています。
2月22日(土) バンビシャス奈良ホームゲーム
●バンビシャス奈良 67 − 79 京都ハンナリーズ○
1Q 15−19
2Q 17−27
3Q 15−14
4Q 20−19