ラジヲとギター

レダ・ラリーミとジョッシュ・ボスティック、今ハンナリーズで一番アブナイ
二人だと思う。

ラリーミは今やｂｊリーグ界の中でも屈指のセンターになろうとしている。
まず何よりもサイズがある。荒削りだがフィジカルが強い。連敗したエヴ
ェッサ戦だったがエヴェッサもラリーミだけは止められなかった。天日ＨＣ
がテレビで直接名指しで警戒したのにも関わらずだ。
まだ助かっているのはペイントエリアが彼一人で奮闘している点ではない
だろうか。その点はレイクスのゲイリーも同じだが、しかしラリーミはゲイリ
ーよりサイズがある。１対１のマッチアップではシュートもリバウンドも相
当厳しい戦いを強いられるだろう。

ボスティック．．．．．、このポジションの若い外国人プレイヤーがひとたび
暴れん坊将軍化するともう手をつけられなくなる。たった１つのＱで芋ズ
ル式に得点を重ね、分かっていても止められなくなる。こういう選手には
一番最初が肝心。そう、ディフェンスで「堅いな。」というイメージを植え付
けさせ躊躇させられるかどうかが鍵となる。

ハンナリーズが７連敗している原因は色々あるだろうが、一番の原因と
思われるのは、「チーム澤岻になっていない。」点があるだろう。しかし残
念ながら個々の能力はレイクスメンバーを凌駕してると言わざるを得ない
。ラウーフと川辺のフリーの３ポイントは全部入ると考えた方がいい。瀬戸
山だって潜在能力はあんなもんじゃない、めちゃくちゃ早い。練習生から這
い上がった村上は最近はスターターで出場するようになった。岩佐が４Ｑ
になったら別人の働きをするのは昨シーズンのファイナルを見ても明らかだ。

正直ライジング戦でハンナリーズは一つだけでも勝って欲しかった。７連敗
もすれば誰でも「もうそろそろ連敗止めなきゃ。」という気運も高まる。しか
もお隣のチームをホームで迎える、お膳立ては揃った、これ以上負け続け
たらブースターも完全に離れてしまう危機感もあるだろう。「とにかく何が何
でもまず連敗脱出を。」と思うのが非常に厄介だ。

これを打ち破るのはレイクスがいかに組織バスケットをして相手に的を絞ら
せないかに尽きると思う。「ジョーとゲイリーさえ抑えたら勝てる。」バスケッ
トでは確実にやられるだろう。レイクスには残念ながら、「わかっていても止
められない。」選手は一人も居ない。しかし組織バスケットに徹した時、この
チームを止めるのは非常に困難になる。組織バスケットに一番大切な事は
切らさない集中力、逆に一番怖いものは一瞬の気の緩みからくるつまらな
いミスだ。まとまったら実力以上の力を発揮するが、ほころんだらとても脆
い。

レイクスが勝利した試合の特徴、それは得点、リバウンド、アシストの数字
が１人に集中せずにばらけている事。逆にこの数値が一人の選手に集中
しだすと危険な兆候で、連敗中に顔を覗かせた雑なバスケットになりがち
だ。ロースコアーだが穴の少ない展開、防御率の高いバスケット、かつて
上杉謙信の車懸りの陣を鶴翼の陣で守りきった武田信玄の如く。ＳＨＯＷ
としてブースターを喜ばすバスケットでは無いが、その表現を最大の褒め
言葉と受け止めて欲しい。ディフェンスとは受け身ではない。堅いディフェン
スとは相手チームの戦意を削ぐ最大の攻撃なのだ。

僕が子供の頃、顧問から「パスをしたらパスをした味方の方向へ走れ。」と
よく指導を受けた。残念ながらそれを忠実に行っているのは今のところジョ
ーしか見当たらない。ディフェンスにとって止まっている相手ほど守り易い
ものはない。サイズのある対戦相手に足が止まっていては勝機は見出せ
ない。今一度それぞれのポジションで自分の役割りというものを再確認し
て欲しい。どうすればチームが勝てるか、チームが勝つために自分は何を
しなければならないのか。組織バスケットは誰も人のせいには出来ない、
それぞれが責任の一翼を担っているのだ。

もう一度敢えて言いたい。ハンナリーズの選手個々の能力はレイクスを凌
駕している。ハンナリーズがチーム澤岻になる前に、レイクスはこの週末、
本当に開幕を迎える新たな気持ちで戦って欲しい。開幕戦をディフェンスで
勝った、今こそあの原点に戻ろう。これも言わせて欲しい、レイクスが組織
バスケットをした時、何処もウチを止める事は出来ない！、レイクスに絶対
的ヒーローは要らない。ヒーローは滋賀レイクスターズというチームを愛す
る熱い思いただ一つだけでいい。